おすすめの1冊

エクソフォニー

多和田葉子さんはドイツ語の作家として,また日本語の作家として活動している人で、言語の越境というテーマに真正面から取り組んでいる作家である。

エクソフォニーとはドイツ語で,母語の外に出た状態一般を指すことを言うそうだ。
自分を包んでいる母語の響きから外に出てみると,どんな文学世界が展けるのかということを著者は自らの経験をたどりながら考察していく。非常に刺激的なエッセー集である。

とくに外国語をやることの意味についての考察はおもしろい。
英語やフランス語などのヨーロッパのメジャーな言語を学ぶとき、西洋文化に対するコンプレックスが根底にあり、言葉が上手か下手かということは自分の外部にある権威が決めてくれる、という発想がわれわれの中にある、と言う。

自分が英検やTOEICを受験するのも確かにそういった「権威」にたよって「上達」の度合いを見ようとしているのかな、と考えさせられてしまいました。

言葉を学ぶ意味についていろいろ考えさせてくれる本です。


2007年06月28日 09:18

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